国防崩壊 2013 3 2

 日本の特殊事情である「武器輸出三原則」は、
早急に撤廃すべきだと思います。
 もちろん、国連議決で禁じられた国への輸出は、
禁止を維持すべきですが、
時代遅れになってしまった「武器輸出三原則」は、廃止すべきです。
 現代の兵器開発は、特に戦闘機では、巨額の開発費がかかります。
部品のハイテク化や特殊素材の使用などが原因ですが、
一国で開発するには、開発費が限界に近づいています。
費用対効果を考えれば、同盟国で、共同開発・共同調達をすべきでしょう。
 さて、日本の場合は、納入先が、防衛省のみで、
長年、防衛予算の削減が続いたので、
企業としては、兵器の研究開発や生産ラインの維持は、困難でしょう。
 何年か前に、聞いたところでは、
F2戦闘爆撃機の調達終了の影響は大きく、
日本においては、多くの企業で、
兵器の研究開発・生産ラインの撤退・廃業が相次いだというのです。
戦闘機の生産は、自動車産業のように、産業としての裾野が広いのです。
 また、駆逐艦(護衛艦)の生産においても、
受注量が少なく、企業としては、採算が取れないので、
生産ラインと熟練工の維持に苦労していると聞いたことがあります。
 それでも、企業は、国を守るために、
たとえ利益が出なくても、生産能力を維持しているのでしょうが、
不景気が続けば、そういう余裕はなくなるでしょう。
 海外からは、日本の自衛隊は、
士気が高く、装備も充実していると言われていますが、
実は、日本の防衛は、すでに崩壊しつつあると思います。
 国防というと、どうしても自衛隊に注目が集まりますが、
兵器を開発・生産する企業についても、重視すべきです。
 防衛産業というと、大企業を連想しますが、
数の上で考えれば、防衛産業の多くは、中小企業や零細企業です。
 そういう「町工場」で働く職人による「職人芸」が、
日本の防衛産業を支えているのです。
 しかし、長年続いた防衛予算の削減と不景気により、
職人の引退や廃業が相次いだのです。
 さらに、問題なのは、
国を守るために、たとえ利益が出なくても、
「この仕事を続ける」と決心した職人も、
廃業した他社の仕事も引き受けるために、
過重な労働になっているという話もあります。
 これで、日本の国防は、
崩壊しつつあるという意味がわかったでしょうか。
 日本の場合は、戦争ではなく、
長年続いた防衛予算の削減によって、国防が崩壊するでしょう。
 普通は、国が滅びる原因は、戦争に負けることでしょうが、
日本の場合は、「長年続いた防衛予算の削減」が原因となるでしょう。
歴史家は、そういう評価を下すでしょう。

防衛産業 2010 8 29

書名 誰も語らなかった防衛産業
著者 桜林 美佐  並木書房

 防衛産業というと、大企業を連想するでしょうか。
しかし、それは大きな間違いです。
 防衛産業の多くは、
中小企業や零細企業、月並みな言葉で言えば「町工場」です。
そういう町工場で働く職人による「職人芸」が、
日本の防衛産業を支えているのです。
これを言葉で説明しても、なかなかイメージが湧かないと思います。
 そこで、それを説明する、ちょうどよい本が見つかったのです。
この本は、日本の防衛産業を支える「町工場」に、
取材に行った結果をまとめた本です。
 「町工場で働く職人による職人芸が防衛産業を支えている」と書きましたが、
長年続く、防衛費の削減により、こうした職人も、
引退か廃業の危機に瀕していると聞いたことがあります。
 一方で、国を守るために、
たとえ利益が出なくても、
「この仕事を続ける」と決心した職人も、
廃業した他社の仕事も引き受けるために、
過重な労働になっているという話もあります。
 国防というと、最前線で働く自衛隊に注目が集まりますが、
こうした職人の仕事にも注目してもらいたいと思います。
































































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